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荒川サイクリングロード、通称“荒サイ”を河口から遡る!

荒川サイクリングロード、通称“荒サイ”を河口から遡る!

コース概要

人は愛着を込めて、その道のことを“荒サイ”と呼ぶ。
東京、埼玉、千葉の自転車乗りにとって、メジャーなコースのひとつである「荒川サイクリングロード」は、平日でも多くのサイクリストが行き来する。上流、中流、下流とそれぞれに違った様子を見せる荒川を、下流から順に遡っていく荒サイライド。今回は、荒川左岸(東岸)の河口である葛西臨海公園をスタートし、約30㎞上流の新荒川大橋を目指す!

走行距離 約30㎞ 所要時間 約4時間
お手軽度
5
地域 東京23区東部
天気 晴れ 気温 8℃

コースおすすめスポット

コース案内

早朝の葛西臨海公園を出発し、東京湾にそそぐ荒川の河口からまずは左岸を葛西橋まで走り、橋を西へ渡って右岸(西岸)へ出る。右岸を約1.5㎞北上すれば荒川ロックゲートが見えてくる。そのまましばらく右岸を走り、荒川にかかる鉄道橋をいくつかくぐる。そこまで来ると、左手には東京スカイツリーがサイクリストたちを見下ろすように立っているのが見える。途中、四つ木のかつしか商店街に立ち寄りランチ休憩。その後、再び荒川へ戻り、隅田川との合流地点にある岩淵水門まで遡上する。そのすぐ先にある新荒川大橋で荒川サイクリングロードを離れ、最後は東京23区内で唯一の酒蔵である小山酒造さんで酒蔵見学をするのが今回のコースとなっている。

葛西臨海公園駅からスタート

オススメ度 4

朝8時過ぎの光を全身に受けながら、京葉線葛西臨海公園駅前を出発。葛西臨海公園入り口にある噴水が朝日を浴びて小さな虹を作り出していた。そして、日本最大を誇る直径111m、高さ117mの「ダイヤと花の大観覧車」が青空をバックに大輪の花を咲かせているのであった。

早朝の葛西臨海公園で、海ひとり占め!

オススメ度 4

キリッと冷えた朝の葛西臨海公園。広い公園内には、まだあまり人はいない。海に面したガラス張りの展望レストハウス「クリスタルビュー」をくぐり海側へ出ると、朝焼けにキラキラと輝く東京湾が目の前に広がる。その眺望たるや、これから走り出すというのに黄昏モードになってしまうほどいい眺めである。

河口と海の境目はどこにあるのか?

オススメ度 4

大観覧車を間近に見ながら、海沿いを荒川の河口へと向かう。東京に住んでいると、川が海へと注ぐところなんてなかなか見られるものでもない。川と海の境目はいったいどこなのか。海水と川の水が混ざり合う汽水域というものがあるというのでじっと目を凝らすが、わからなかった。
遮るもののない風景を眺めながらゆっくり走っていると、川幅の広い河口をまたぐように掛かる首都高湾岸線を行き交う車の流れが、非現実的なものに見えてくる。そのまましばらく左岸を走り、清砂大橋をくぐると葛西橋が見えてきた。

葛西橋を渡り右岸で小休止

オススメ度 4

葛西橋を左岸から右岸へ渡ると、荒サイはより荒サイらしくなる。道の両サイドは芝生に覆われ、土手もあり、川岸を走っている感覚がより増すのだ。葛西橋から少し河口側へ戻ると小さな東屋とベンチがあり、川を眺めながら休憩ができる。気温は低いが、太陽を全身に受けポカポカとして気分がいい。

荒サイ右岸下流エリアの有名スポット「荒川ロックゲート」に登頂せよ!

オススメ度 5

葛西橋から右岸のサイクリングロードを上っていくと水門のような建造物が見えてくる。荒川ロックゲートだ。荒川ロックゲートは、水位の高低差が最大で3.1mある荒川と旧中川を結ぶための閘門(こうもん)としての重要な役割がある。荒川ロックゲートは、荒川側と旧中川側それぞれにあり、両河川を行き来する船舶は、一旦ゲートを入りそこで水位を調整してもう一方のゲートから出ていく。ゲートの通過には20分ほどかかる。
荒川側のロックゲートは、屋上が解放されており、午前8:45から16:30まで(第1日曜日、年末年始は解放していない)は、階段で登ることができる。さっそく登ってみると、6階建てのビルほどの高さがある屋上からの眺めは最高だ。ここをスルーしてしまうサイクリストもいるが、ぜひ登頂することをオススメしたい。

鉄道橋の無骨で質実剛健な構造美にヤラれる

オススメ度 5

荒川には、何本もの鉄道橋が掛かっている。河口からいくつか挙げるだけでも、JR京葉線、東京メトロ東西線、都営新宿線、JR総武線、京成押上線、京成本線、東部伊勢崎線……と、線路は続くよどこまでもといった状態である。
気にしなければ、ただその下をくぐるだけではあるが、橋はよく見るととてもかっこいいのである。レインボーブリッジやベイブリッジのようにしなやかな曲線を思わせる橋もいいが、機能に特化し、ストイックなまでに装飾的なものを削ぎ落とした鉄道橋の構造美は味わい深い。
荒サイを走る際にはぜひ一度、三角形の連なりで強度を保つトラス構造が、対岸まで長く続く様をじっと見ていただきたい。たぶん、気に入ってもらえるような気がしないでもない。

東京スカイツリーをバックにパンク修理

オススメ度 3

平井大橋から四ツ木橋のあたりは、東京スカイツリーが良く見える。右岸のほうがスカイツリーには近いが、左岸から手前に荒川、その奥にそびえるスカイツリーという眺めは、風景としてのスカイツリーの楽しみ方としては、オツなのではないだろうか。
とかなんとか考えながら走っていたら、急に自転車が重くなった。やはりパンクだ。元気いっぱいのおじいさんたちが河川敷で野球をしている傍らで、のんびりパンクの修理をしましたとさ。

かつしか商店街でステーキを頬張る!

オススメ度 5

朝一から走り出し、そろそろお腹も減ってきた。どこかいいお店はないかと、四ツ木橋から葛飾区に入り、かつしか商店街をしばらく走っていて見つけたのが、「café&beerときわ彩(いろどり)」。マンション1階のお店にはオープンテラスもある。カジュアルな雰囲気でオリジナルピザが売りのこのお店は、仲のいいご夫婦ふたりで切り盛りしている。以前は、同じ場所で広島焼きのお店を開いていたそうだが、心機一転、ご主人が以前からやりたかったというピザのおいしい洋食店にしたのだそう。
ここはご主人おすすめのローストビーフピザ!と注文したいところだが、メニューにあったステーキの文字から目が離れず「ステーキください」と注文。正統派の洋食屋さんらしく、どんぶり飯とお味噌汁と一緒にやってきた赤身のステーキ。黒胡椒と少しのステーキソースで味わうステーキは美味! 肉そのものの旨みが感じられ、あっという間に完食。
最後に仲のいいおふたりの写真を撮らせていただき、お店をあとにした。

岩淵水門を通り過ぎ、目指すは新荒川大橋!

オススメ度 5

四ツ木橋で再び右岸へ戻り、今回のライドの最終目的地である23区唯一の酒蔵「小山酒造」を目指す。小山酒造は、新荒川大橋のすぐ近くにあるので、右岸をひたすら上流へと走る。隅田川と荒川を仕切っている岩淵水門が見えてきたら新荒川大橋まではすぐ。

東京23区唯一の酒蔵「小山酒造」で飲む仕込み水が美味い!

オススメ度 5

いよいよ到着した東京23区唯一の酒蔵「小山酒造」では、江戸の地酒「丸眞正宗」を造っている。こちらでは、1週間前までに予約をすれば、蔵見学をさせてくれるのだ(ただし、5名以上)。
今回、蔵を案内してくれたのはきき酒師の資格も持つ常務取締役の小山久理さん。創業は明治11年(1878年)、今年138年目を迎えた小山酒造は、現在5代目が指揮を取って丁寧な酒造りをしている。
「いまも地下130mの深さから井戸水をひいて、それを仕込み水として酒造りをしています。秩父山系を水源に持つ井戸水は、比較的硬めの水ですっきりとしていてキレがあるので、丸眞正宗もやはりすっきりとした飲み口で、キレがいいのが特徴です」(小山さん)
ん〜、飲みたい!でも、飲んではいけないのがサイクリスト。
「仕込み水でしたら、どうぞお飲みください!」(小山さん)
なんとうれしいことに、井戸から汲み上げた仕込み水は蔵見学の予約をしていなくても、飲ませていただけるとのこと。さっそく、グラスになみなみと仕込み水を汲んでもらい、グイッと空ける。うまい! 角のない丸い水ながら、確かにすっきりとしている。蔵ではお酒も販売しているので、お土産に買って帰るのもいいだろう、ちと重いけど。
小山酒造については、コラムでもっと詳しくご紹介するので、そちらもよろしく!

あとがき

荒川サイクリングロードの下流編はこれにて終了である。下流エリアはサイクリングロードの道幅も広く、信号で足止めされることもないので、普段、都内の信号待ちにうんざりしている人には、そのストレスから解放される喜びを味わっていただけるのではないだろうか。ただし、荒川サイクリングロードは、歩行者や河川敷の運動施設の利用者も使う道である。くれぐれもスピードの出し過ぎにはご注意を。

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このコースガイドを書いた人

編集部T