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ところで都民の森って、どうなのよ?

ところで都民の森って、どうなのよ?

コース概要

ここ数年、サイクリストに人気なのが都民の森。東京の西にある東京都では島を除いて唯一の村である檜原村に、この“森”はある。拝島駅から伸びるJR五日市線の終着駅である武蔵五日市駅に降り立つサイクリストは多く、ここから約30km先の都民の森を目指す。コースは上り基調なので、まったくのビギナーにはなかなか厳しい道のりかもしれない。それでも、途中の景色は“東京”という都会的なイメージからはとても想像できない素晴らしい自然ばかり。多くのサイクリストが集まるのも、よくわかる。都民の森には、売店があるので東京の懐の深さを感じながらひと休みして、ご褒美の下りに備えたい。

走行距離 約30km(往復約60km) 所要時間 約2.5時間(往復4時間)
お手軽度
2
地域 東京都檜原村
天気 曇り 気温 15℃

装備

上りは一気に体温も上がり暑くなるが、都民の森周辺は標高も約1,000mあるので気温も下がり、また下りは汗も冷えて寒くなるのでウインドブレイカーなどは初夏でも必要。

コースおすすめスポット

コース案内

JR五日市線の終点、武蔵五日市駅を出発。檜原村役場を通過する。ここまではいわば前菜のようなもの。役場のすぐ先にある橘橋のT字路を左に曲がってからが徐々に上りが始まる。そこからはほぼ迷うことなく道なりにひたすら上を目指す。道路の脇には南秋川の渓流があり、火照った体に涼感を与えてくれる。途中、河原に降りられるところもあるので、休憩がてらその流れを前に時間を過ごすのがまたいい。上川乗の交差点を右に向かうと、勾配もきつくなり、平坦な道も少なくなる。そして、本当にキツイのは最後の5㎞を過ぎたあたりから。風景も大自然そのものといった雰囲気になる。最後まで頑張ると都民の森の入り口、売店などがある標高1,007mの地点に到着する。

武蔵五日市駅でふたりの女性と健闘をたたえ合う!

オススメ度 3

朝、武蔵五日市の駅前で走るための準備をしていると、同じように輪行袋からロードバイクを出して組み上げている女性2人組を発見。どちらも白いフレームがまばゆいばかりの愛車を前に、黙々と準備を進めている様子。聞けば、やはり都民の森へ向かうのだということで、埼玉と栃木から来られたそうだ。
TREKの方は、なんと数日前に1台目のバイクを盗まれてしまい、失意の中にありながらも昨日、納車されたばかりという新車の、今日が走り始めとのこと。「初めてのフルカーボンなので楽しみです。以前も都民の森には行ったことがあるんですが、その時はアルミの重い“子”だったんですよ。その子は盗まれちゃったんですけどね……」
もうひとりの白いLOOKの女性は、初めての都民の森とのこと。愛車のLOOKについては、「このモデルじゃなきゃダメだったんです。白いLOOKに乗りたくて、ようやく見つけたんですよ」と、溺愛ぶりを披露してくれた。
この後、ふたりより先にスタートして途中、撮影しながら上っていると、すごくいいペースで登っていくふたりにあっという間に追い抜かれましたとさ!

檜原村役場でトイレを拝借!

オススメ度 4

武蔵五日市駅を出発し、檜原街道を約8kmほど行くと右手に檜原村役場がある。駐輪場にはバイクラックもあり、自転車ウェルカムな感じがありがたい。その村の好意に甘え、トイレも拝借。この先、トイレのあるコンビニなどがあまりないので、ぜひ済ませておきたいところ。
役場を出るとすぐに橘橋のT字路があるので、都民の森方面へ左折する。さあ、いよいよここから上りの始まり。メットの緒を締め直す。

東京の里山に和む

オススメ度 5

檜原街道沿いの風景も民家が徐々に少なくなり、新芽がまぶしい木々がその存在感を増してくる。ところどころに斜面を利用した畑もあって、東京の里山の雰囲気が味わえる。

移動販売車を発見! 今日の補給食はトマト

オススメ度 4

のんびりとしたペースで上って行くと、民家の軒先に白いトラックが停まっている。見れば、トラックの荷台には飲み物や菓子類、調味料に野菜や惣菜などが満載されている。移動販売車だ。ちょうどいいので補給食を買うことに。彩り豊かに並ぶ野菜の中から、トマトを購入。ピチピチタイツの珍客に驚きつつも、おじさんは笑顔で接客してくれる。
「どっから走ってきたの? へぇ、武蔵五日市から。えっ、都民の森まで!? そりゃ大変だ!」
週に何度かあきるの市から檜原村に販売車で来るのだという。
「商売としては厳しいよ。でもさ、待ってる人がいるからね」
若い人は都市部へ出て行ってしまい、かつてあった商店も次々に閉店してしまい、残されたお年寄りたちにとって、この移動販売車の存在は大きいのだろう。
「自然がいっぱい」と同じく、これも“大都会東京”のお話。そんな話を聞きながらかぶりついたトマトはとても美味しかった。

どこを切り取っても画になるねえ〜

オススメ度 5

上りがキツくなると、どうしても顔を下げてしまいがち。そんなときに、ふと顔を上げて改めて気づく自然の豊かさ。ほんの一瞬だけれども、足が軽くなる、ような気がするのだ。ときには野趣あふれる石垣に腰掛けてカッコつけたり、川へ降りられる階段を見つけては河原へ降りてみたり。まあ、寄り道甲斐のあること。すぐに停まって、楽しめてしまう自転車の面白さを実感するのである。

残り10kmからが、本当の闘いだった…。

オススメ度 5

結構走ったかなと思った頃にある「上川乗」の交差点。右「奥多摩」、左「上野原」とあり、都民の森へは右へ進む。この地点で都民の森までは残り約10km。実はここからが本格的な試練の道となる。檜原村役場までが前菜とするならば、そこからこの交差点までは、スープとサラダといってもいい。そして、ここから先がいよいよメインディッシュ。しかも、大盛り! さあ、行ってみよう!

なかなか減らないカウントダウン10km

オススメ度 4

残りが10kmほどになってから、コースはぐんとレベルが上がる。勾配も5%を超える箇所が多くなり、心拍数も上がりっぱなしで足パンパン。途中、「都民の森まで○km」という看板が出てくるが、その数は自分が思っているほどは減っていかない。なめくじのようにひと漕ぎひと漕ぎ、踏みしめながら進むしかない。標高は1000mに近づきつつあり、ガードレールの外側は深く落ち込み、相当上ってきたことがよくわかる。ゴールまであと少し。自らのドMなハートに最後のムチを打つ!

ついに都民の森にゴール!

オススメ度 5

力を振り絞って最後のゆるやかな右カーブをクリアして、都民の森に到着。そこには、立派な駐車場があり、お土産やそば・うどんをはじめとした軽食も売っている売店「とちの実」がある。週末ともなると、都民の森詣でのサイクリストがたくさんやってくる。
売店「とちの実」のご主人によれば、都民の森が今のようにサイクリストに人気となったのは、ここ3年のことだという。
「2013年9月に開催された東京国体のロードレースで、この都民の森まで上がってくる檜原街道がコースの一部になってから、人気が出ましたね。週末の多い日には、300人ほどの自転車乗りの方が来られますよ」
売店には、武蔵五日市駅で出会い、その後、あっという間に追い抜かれた女性ふたりが涼しげな顔で、いま上ってきたコースの“感想戦”を行っていた。

あとがき

都民の森でしばらく休憩してから、武蔵五日市駅まではご褒美の下りが待っている。辛い上りが楽しいということもあるが、やっぱり下りの爽快感は最高。30㎞を一気に下る。それにしても、しつこいようだが、ここTOKYO!である。わざわざ遠くへ行かなくても、「遠くまで来たな!」という旅行感覚が味わえる。上りは確かにきついかもしれないが、無理せず景色のいいところで休憩を挟みながら上れば、上れないコースではない。ロードバイクに慣れてきたら、ぜひ都民の森を目指してみてはいかがだろうか。

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このコースガイドを書いた人

編集部T