コラム

[くるくる写真塾]第7回 ライドイベントのススメ

第7回 ライドイベントのススメ

さて今回はライドイベントに参加してみましょう、というお話です。
いつもの写真講座とはちょっとちがいますが、写真も自転車もお好きなみなさんのことですので、一粒で二度美味しい、まさに一石二鳥なのが自転車ライドイベントです。旅情も味覚もと考えれば、一石三鳥、四鳥にもなってしまいます。写真上達に欠かせない要素がてんこ盛りなので、参加すれば、いいことしかありません。

前回までの「くるくる写真塾」はこちら
第6回 アングルのはなし
第5回 ロケーションハンティング
第4回 ボケとピントのはなし~その2~
第3回 ボケとピントのはなし~その1~
第2回 “自撮り”派サイクリスト
第1回 ようこそ「くるくる写真塾」へ!

近頃は自転車関係のイベントも全国的に広く普及してきました。特に主催自治体にとって、外部から集客を望め、地域の魅力をじかに感じてもらうことができるライドイベントは、非常に魅力的なコンテンツなのでしょう、各地でこぞって開催されています。規模の大小は問わず、毎週のように全国津々浦々でイベントがあり、自転車旅が好きな私なども、イベントカレンダーを見て素敵なライドの想像ばかりしています。

ジャンルも様々で、近年いちばん盛り上がっていたヒルクライムから、グランフォンドなどとも呼ばれる100km超えのロングライドイベント、町の史跡などを回り地域の歴史に触れることができるポタリングイベントなど、探せば自分にあったものが必ず見つかるはずです。登り系、走り系、ポタリング系、はたまたグルメ系、撮り系と、いろいろありますが、まずは自分に合いそうなものを選んで参加してみましょう。むしろ自分に無い要素のものを選んで参加してみるのも、新たな発見、新たな写真の領域が開けるチャンスかもしれません。先入観はこの際捨てて、応募してみるのも面白いかもしれません。

日頃なにかと忙しかったり、なんだか都合の合わない現代人の私たちは、とかく一人で自転車に乗ること、写真を撮ることが多いものです。一人というのは自分と向き合ったり、物事を深めたりするのにとても大事な時間ですが、道連れに誰かがいると、また予期しない面白さが増すのも事実です。ライドイベントと言うのは、そんな道連れたちも同時にスタートを切って、ともに走ることになります。交流するしないは自由ですが、そんな環境の中で他者と走る楽しさもまた自転車の楽しさですし、何より同じく自転車に乗った被写体には事欠かないので、自転車の写真も撮り放題という特典も付きます。

イベント主催者は、それぞれが趣向を凝らして訪れるサイクリストをもてなしてくれます。それは風光明媚なコースレイアウトであったり、チャレンジャブルな峠であったり、グルメであったり、土地の歴史文化であったりします。土地のことは土地の人に聞くのがいちばんなように、地元発信を目的としているライドイベントに参加すると、その土地の魅力がお膳に乗って出て来るなんて例えも、ある意味合っているでしょう。

気がつけば行楽の季節が訪れようとしています。写真にも自転車にも最も美しい季節です。ぜひライドイベントに参加して、サイクリングの思い出と素敵な写真を求めて出かけてみてください。

<一口メモ>

各地で開催されるライドイベントには、土地の魅力が詰め込まれています。コース上の景色、歴史、味覚など被写体には困らないですが、むしろ多すぎて的を絞るのが難しい側面もあります。事前にコースを予習して撮りたい写真のイメージを持つのが大切です。また走りながら、どんな写真を撮っているか、撮れているかを考えながら撮影をすすめ、しかし楽しむことは忘れないように。帰宅してから旅情あふれるアルバムを作れたら、その旅は成功です。

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今回の写真は、今年のツールド東北に参加した際、女川から雄勝に抜ける海岸線から雨に霞む牡鹿半島を見下ろす参加者の写真です。生憎の雨も、美しさに変えてしまう自然のおおらかさ。登坂路の終わり、苦しさから一瞬解放され、同時に開ける景色。皆立ち止まってつかの間の憩いの時間でした。東北の復興も少しずつですが、こうしてこころに刻むことができた、素敵なイベント参加でした。

プロフィール

下城 英悟(シモジョウ エイゴ)
Photo&Videographer/Director。1974年長野県上田市生まれ。2000年より写真と映像兼務のフリーランスカメラマンとなり、各種制作業務請け負う。2010年、神保町にてスタジオGREENHOUSEを設立。自転車をこよなく愛し、専門誌への寄稿、撮影も多数。

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