コラム

[くるくる写真塾]第12回 機材を愛でる。

第12回 機材を愛でる。

さて、年が明けて早2カ月。自分は、“今年はカメラを持ち歩いて写真に取り組もう!”という抱負を年初にひとつ掲げました。カメラマンなのに変な話ですが…。

というのも、昨今はとかくスマホの性能が高いので、本職にもかかわらずスマホ頼りな日常がありました。仕事以外は、なかなかカメラを出すのが億劫になったり…。いつも手元にあるスマホ頼りのスナップ活動が主になっていました。そこを反省しての抱負です。

高度なコンデジや一眼レフの描写力は別として、と先に断りを入れつつ、日常使用ということで考えると“スマホ”と“カメラ”、撮れる写真が格段に変わることは、もはや正直無いかもしれません。言っちゃった…。あ、語弊を恐れず言えばなので、正直語弊はあります。しかしスマホの写真機能の進化たるや刮目すべきものがあるのです。しかも日進月歩の進化速度で、いったいどこまで行ってしまうのか。スマホで月の表面が精細に撮れる日も来るかもしれない、とちょっと大げさではありますが、そういう技術的特異点の渦中なのです。

そんな感じなので、スマホでいいじゃないかとなるのが自然でしょう。が、しかし!カメラの方が優れている圧倒的な魅力が、一つあると思います。

それは、モノとしての魅力です。
それぞれに自分のカメラを選んだ理由というのがあるかと思います。機能面もさることながら、まずやはり造形の魅力で選んだ方が多いのでは無いでしょうか? 見た目のというのは何においても重要です。「人は見た目が8割」なんて、ときに残酷無慈悲なことが言われたりしますが、ある種の真実も含んでいて、それはカメラにも当てはまる話だと思います。

「カメラは見た目が8割」
私ごとですが、銀塩、デジタルを通してカメラ機材遍歴はかなり多い方だと思います。いくつものカメラに恋をし、愛し、ときに偽りの愛に打ちのめされ、ときに真実の愛に気づき、一途を通すかと思えば、散々な浮気もしてきた因果な写真家稼業でした。

そんな私の機材選びの基本の“き”も、まいどの独断独善の基準で恐縮ですが、やはり見た目重視でした。その時々で後悔はあれど、間違いはなかった気がします。“見た目”と一口に言いましたが、造形だけの話ではない個人の趣味がおおいに反映される世界です。自分なりの“愛”を見つける楽しさも、カメラ選びの楽しさなので、大いに悩み楽しむといいと思います。そして、選んだ見た目を深く愛せるかどうかは、自分の選んだカメラが、「愛機」になるかどうかの大切な分岐点でもあります。

不思議なもので、愛せる写真機は、写真への想いや意欲を掻き立て、湧き起こしてくれます。愛せる写真機で、楽しく撮ることは写真上達への最良にして最短の道です。そういう意味でも、愛せる写真機を持つことは、作品の質にも大きく寄与してくれるのです。

性能の違いは、いい作品を撮るのにはっきり言って関係ない、あなたにとって愛せる一台を選ぶところから今年を始めてみてはいかがでしょう?

前回までの「くるくる写真塾」はこちら
第11回 ロケ地巡礼。
第10回 “壁”に対峙する。
第9回 まだ見ぬ道へ
第8回 旬の写真を味わう
第7回 ライドイベントのススメ
第6回 アングルのはなし
第5回 ロケーションハンティング
第4回 ボケとピントのはなし~その2~
第3回 ボケとピントのはなし~その1~
第2回 “自撮り”派サイクリスト
第1回 ようこそ「くるくる写真塾」へ!

<一口メモ>

juku_12

私の愛機たち。リコーのGRⅢとシグマのDP2Xです。ともに5年ほど前のモデル。もちろん愛せる写真機「愛機」です。個人の趣味ですが、木と皮を使って温かみを感じられる“見た目”カスタムをしています。

最近のカメラも持っていますが、なんだか結局一番稼働率の高いコンパクトデジタル2台、プラスおまけのフィルムトイカメラ、中国製。機能的に古く反応が遅くても、使用期間が長いので道具としての習熟がある方が結局大切です。

機能というのは良い写真を撮るのに実はそれほど重要ではないのですが、この2台について言うと、不便なところが自分にとって必要不可欠で魅力的な機能となってしまいました。また、こう言う古いけど魅力的なものをあらためて手にするのも写真趣味の楽しみでしょう。中古カメラ屋を巡って恋人探し、ならぬカメラ探しするまた楽しからずや、です。